離婚Q&A

離婚の相談で多いことをQ&A形式でまとめてみました。最近では熟年離婚など高齢者の離婚が話題になっています。また「年金分割」と言う言葉がマスコミで先行して「離婚すれば夫(妻)の年金の半分は入ってくる」と思いがちになっていますが、このことについてもQ&Aに記載しています。ここで明言しておきますが夫(妻)の年金の半分丸ごと離婚しても自分のものになると思っている方は考え方を修正しなければいけません。何度も書いていますが簡単に離婚できないことをわかってもらいたい気持ちは変わりませんが「どうしても離婚したい!方法はこれしかない」と思いつめている方もいることも現実です。このQ&Aを参考にしてそれが少しでも役に立てれば幸いです。



Q1:裁判で離婚したいのですが?
A1:離婚の種類としては①協議離婚②調停離婚③審判離婚④裁判離婚とあります。①〜④までは順番です。つまり裁判離婚をするためには家裁で調停を受けてから不成立になったときに審判の異議申し立てをして初めて裁判になります。



Q2:慰謝料は夫からいくら取れるのですか?

A2:よく「離婚した場合、慰謝料はいくらもらえるんですか?」と聞かれますが、必ずもらえると考えていたら大きな誤解です。離婚の原因を作った側に義務は発生しますが、それ以外の離婚であれば発生しないと思ったほうが良いでしょう。また慰謝料は“手切れ金”と言う性質がありますので金額を算定する根拠が明確ではなく、婚姻期間によっても異なります。それに請求された側に支払能力があるかどうかが問題です。たとえ裁判所で慰謝料を認めても実際に支払わないケースも有り得ます。この場合は財産分与と絡めて話をするのが得策です。

Q3:財産分与の種類はどういうものがありますがか?

A3:婚姻中に築いた財産は離婚時に分けることを財産分与と言いますが、財産といってもプラスのものとは限りません。住宅ローンなど借入金も財産分与の対象とみなします。また、その他のものとして現預金、有価証券、土地、建物、将来受けることのできる退職金、生命保険などがあります。これらのものをすべてリストアップすることが大事です。

Q4:離婚しようとしても自宅の住宅ローンがあるのでどうしたらいいかわかりません?

A4:ここでの問題は家を建てたとき、マンションを購入したときローンの連帯保証人に夫(妻)がなっている場合です。一般的には妻が働いていると言ってもパートとして働いているのがせいぜいで離婚する場合そのローンを返済する必要が出てきます。大抵は分与の時、夫がローン契約者で妻が連帯保証人と言う場合に夫は「俺が家を出て行く代わりにローンは払わない」と主張することが多いです。どうすればいいか?それは3パターンが考えられます。①夫がはらうことを期待する②別の第三者の連帯保証人を探す③家、マンションを売却して清算する・・・です。①、②は現実的ではありません。②に関しては皆無に近いでしょう。結局③になってしまいますがこれもローンの金額のほうが売却した金額よりも多くなる可能性もあります。

Q5:熟年離婚したら夫の年金の半分は貰えるって本当ですか?


A5:年金の分割に際し、自分の年金を把握するために管轄の社会保険事務所で納付状況を確認しましょう。(年金手帳、印鑑、運転免許証は持参すること)
年金はしくみが複雑で簡単に説明することができませんがイメージとしては1階部分の基礎年金、2階部分の厚生年金があるとイメージしてください。基礎年金の金額というのは40年間保険料を納付して満額の老齢基礎年金は1年間で80万弱です(これが1階部分にあたります)。このことをしっかりと憶えておいてください。これに厚生年金に加入していると2階部分が加算されます。
さて、年金分割の対象となる期間というのは夫が働いて(ということは妻が家事をしていて働いていないこととする)厚生年金に加入している期間のうち婚姻期間の半分を分割できるのです。夫の年金のすべての半分を分割と思いがちですが勘違いしないでください。この“働いて”いると言うのがミソで、つまりサラリーマンで厚生年金に加入しているのが前提で自営業の夫婦には年金分割の恩恵?に預かることはできません。またサラリーマンであっても厚生年金に加入していない職場も同じことが言えます。
2007年4月からの法改正においては、それまでの婚姻期間の2分の1を上限として協議、裁判で分割できるので必ずしも半分丸ごと分割できるのではありません。2008年4月からの納付した期間は自動的に2分の1に分割できるのです。年金は制度的に措置ばかりで複雑ですので不明な点は社会保険事務所へ行って確認することを勧めます。離職したり、転職したりしている場合は要注意です。
このように考えると「熟年離婚で年金分割してもらいあとは気ままな1人暮らし」と言う考えは少しあまいような気がします。



Q6:離婚するときに文章を交わすほうがいいのですか?

A6:案外とこの手の質問があり驚きます。当然です!離婚するときは必ず協議書を作成し、公正証書にすることを勧めます。口約束やメモ書き程度のものでは慰謝料や養育費など決めておいても支払が滞り生活に困ることが結構あります。例えば公正証書の中に強制執行付の文章を入れておけば、支払わない場合に相手側の給料やボーナスを差し押さえることができます。また、年金分割においても公正証書に記載しておくことが必要になります。


Q7:離婚したあとでも慰謝料や養育費を請求できますか?

A7:とにかく「先ずは離婚」と思い、将来のことも考えず離婚してしまう人もいます。やはり感情が先走りがちになり「離婚の後のことをはその時になったらどうにかなる」・・・・
どうにかなりません!多くの場合夫が働き妻は家庭にというケースは離婚した場合妻は働かなければいけませんが、簡単に正社員で雇ってくれるところはそんなにありません。しかし、離婚後でも慰謝料、財産分与、年金分割の請求は可能です。ただし、限りがあります。慰謝料は3年、財産分与や年金分割は2年という期間があるので注意してください。


Q8:離婚分割での具体例


A8:条件として

夫 サラリーマンで厚生年金に加入して40年
  平均月収36万円  賞与は3.5カ月

妻 専業主婦  婚姻期間30年 按分割合50%

平成19年4月以降に離婚した場合


年金分割前

概算で計算・・・

夫 老齢厚生年金 120万円 老齢基礎年金 80万円
妻 老齢基礎年金 80万円

世帯の合計では280万円です。


年金分割後

夫 老齢厚生年金 75万円 老齢基礎年金 80万円
妻 老齢厚生年金 45万円 老齢基礎年金 80万円


離婚したので2世帯になるため、夫は年間155万円で妻は125万円で生活することになります。この例の場合、夫がサラリーマンで厚生年金に40年間加入している場合ですから、条件としてはかなり好いほうではないかと思います。果たして40年間も厚生年金の適用事務所で働けるかという心配もあります。慰謝料や財産分与はこの際考えないで年金だけで生活していかなければいけないと考えるなら、2人とも共倒れになる可能性は充分あります。やはり熟年離婚という言葉に惑わされる前によ〜く考える必要があります。


Q9:年金分割において夫婦共働きの場合(両方とも厚年加入)の場合どうなるのでしょうか?

A9:婚姻期間中の給与の総額(対象期間標準報酬総額)の多い方が少ないほうに保険料納付記録を分割します。妻も夫も自分の年金支給開始年齢になったら年金を受けられます。


Q10:年金分割で妻が専業主婦、夫が会社員で受給前に離婚した場合どうなりますか?


A10:婚姻期間中の夫の厚生年金保険料記録の半分を上限に夫から妻に分割できます。60歳から報酬比例部分の年金を支給できる夫の年金は分割後の保険料納付記録を元に計算されて支給されますし妻は65歳から分割を受けた記録を元に計算された老齢厚生年金を受けることができます。


Q11:妻が離婚後に働き始めたときの年金はどうなるのでしょうか?

A11:例えば60歳で年金を受給できる妻は会社に勤務にして厚生年金に加入すると、年金は一部停止になる場合があります。これを在職老齢年金といいますが、この対象となる場合は支給停止の計算の基礎となる標準賞与額は分割前の標準賞与で計算されます。もう少し分りやすく説明すると年金分割によって受けた標準賞与額は在職老齢年金の支給停止額計算の基礎とはなりません。

Q12:元夫、元妻が亡くなったときは年金額は変わるのでしょうか?

A12:結論は変わりません!元夫がなくなっても年金が打ち切りになることもなく、また遺族年金も受給はできません。元妻が亡くなっても元夫の年金は分割後の年金額は変わりません。


Q13:再婚したときの年金はどうなるのでしょうか?

A13:離婚時の年金分割がなされた人が再婚しても年金額が変わることがありません。元夫が再婚した場合定額部分の受給開始時に再婚相手が加給年金の対象になっていれば加給年金は受給できますし、元妻は再婚しても元夫から貰った部分を合計した年金が受給できます。再婚相手の老齢厚生年金の加給年金の対象となった場合は65歳から振り替え加算も受給できます。

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